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★俺の短編小説★

1 :◆dTWjGIzA :01/12/20 00:41
読んでくれ。そしてお前らも投稿しる!

2 :◆dTWjGIzA :01/12/20 00:43
「通学」

 学校への通学途中、改札口で俺は愕然とした。定期券に俺が降
りるべき駅が書いてあるところに何も書いていないのである。こん
な定期券は当然使えるはずもないので俺はあわてて切符を買わなけ
ればいけなくなった。俺はそこでまた焦った。降りるべき駅名がわ
からない、そして案内板にもそれらしい駅名がないのである。
「まもなく、電車が到着します」
俺は焦った。周りの人々が次々と立ち上がり電車に乗り込んで行く。
俺だけがその場に取り残され誰もいなくなった。俺は仕方なく家に
引き返すことにした。
「ただいま」
誰も返事をしない。しかし誰かがいる気配はする。俺は居間にいる
母親に声をかけた。母親は何も言わずテレビを見ている。怒ってい
るのだろうか。俺が見え透いた嘘をついて学校を休もうとしている
のだろうとでも思って。
「ピンポン」
玄関の呼び鈴が鳴り、母親は立ち上がった。
「はーい、いまいきまーす」
俺のいるべき空間を母親が通り抜けた。
その瞬間、俺はすべてを悟った。俺は既に消えていたのだ。或いは
初めから存在していなかったのかもしれないが。

3 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 00:59
早く続きを書いてくれ

4 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 11:58
エーックス! か?

5 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 12:04
>定期券に俺が降りるべき駅が書いてあるところに
>何も書いていないのである。

「書いてあるところに何も書いていない」

のは論理矛盾(プ

6 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 12:04
面白そうじゃん。

7 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 12:06
矛盾してないよ。書いてあるべきところにかいてなかったってことだろ?
おまえあほか?

8 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 12:08
にしてもよみにくい

9 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 12:12
お前の頭が悪いだけ。

10 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 15:51
いや、続きが気になる。

11 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 15:53
俺も気になる。自称ワンダーボーイと比べて書いてくれそ
うな気もしてる。

12 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 16:36
確かにちょっと期待させるものはある

13 :名無し物書き@推敲中?:01/12/20 20:17
続きはないの?

14 :◆dTWjGIzA :01/12/20 22:39
「通学」(2)

 意識という物は感覚の集合によって作られる物だと思っていたし、
感覚の反芻こそ記憶である。だがもう俺は今までの俺ではないのだ。
現にさっき母親は俺の存在にも気が付かず、それどころか俺のいるべ
き空間すなわち俺自身を通り抜けた。肉体として、質量としての俺
はもういないのである。でも俺は今現に感じたり考えたりすること
は出来る。透明人間でもない。幽霊でもない。俺は俺に過ぎない。
今までにしても俺は常に自分の存在をどこか疑っているところがあ
った。それなら。今までと大して違いはないではないか。世界とい
うものの捉え方受け止め方その位置付けは人それぞれでもあるから
ここはもう完全に俺の世界である。案の定そうはっきり意識したと
同時に俺はさきほどの一連の出来事に対する自分なりの解釈が出来
た様な気がする。ここは誰もが持っている、人生の三分の一の領域
に似た、つまり俺だけの世界である。

「定期券に俺が降りるべき駅が書いてあるところに何も書いていな
いのである」論理矛盾。プ。誰かの意識が挿入された。昔世界一
有名なドイツの心理学者の書いた本を読んだことがある。内容は難
解で何割程理解出来たか定かではないがこういうこともあるらしい
のだ。俺の錯誤行為は正しくは「定期券の俺が降りる駅が書いてあ
るべきところに何も書いていないのである」である。「べき」が移
動している位置、そして駅名が消えている、思い出せないというの
は明らかに学校に対するネガティブな意識が反映されている。

「面白そうじゃん」「にしてもよみにくい」「お前の頭が悪いだ
け」「確かにちょっと期待させるものはある」突然なだれ込んでき
たこれらの意識が俺を少なからず興奮させてくれた。しかしこれ以
上外界からの刺激に翻弄され続けると外界に引き戻されかねない。
おれはこれらの刺激を味わう快楽と別れるのは少し名残惜しい気も
したが、外界との扉を遮断した。虚無が訪れる。

無。無。無。しかし無という概念すらない静寂こそが無であり無を
意識出来るのはそこに意思が存在しているからに過ぎない。そう思
った瞬間、俺の前に現在俺の意識に最も広くスペースを陣取る一人
の女性が現れた。

15 :◆dTWjGIzA :01/12/20 22:41
読んでくれてる人がいて嬉しいです。

16 :名無し物書き@推敲中?:01/12/21 01:59
タイトル関係ないじゃん

17 :名無し物書き@推敲中?:01/12/21 13:23
あらら……現実と虚構を混ぜちゃったのね。
ごめん、途端に面白くなくなった。
そういうのって、いきなりじゃなくて少しずつやったほうが面白いと思われ。

18 :クック:01/12/21 17:01
うーん、もしかして・・・
色々いう人もいると思うけど
頑張ってくださいね。

19 :俺の短編小説:01/12/21 20:11
 俺は深夜の駅のホームに降りた。列車が去ったばかりで、誰もいないホーム。
そこに、怪しい人影があった。それは何と、幼な児を抱えた若い母親だったのだ。

20 :名無し物書き@推敲中?:01/12/23 13:41
消えたX。

21 :昔話Z:01/12/23 14:31
 むかーしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが死んでおりました。
おじいさんは山で天国に、おばあさんは川で地獄に落ちました。
 おばあさんが三途の川付近ででうろうろしていると、どんぶらこっこどんぶ
らこっこと大きな桃が流れてきました。
「ずいぶん大きな桃だこと」
 おばあさんは自分の目を疑いました。何しろ最近は老眼で、よくものを見間違
えたからです。おばあさんは心配になったけどそれはどこからどう見ても大きな
桃なのでした。「拾って漬け物にすんべえ」とおばあさんは言って、さっそくそ
の桃を拾い上げるのでした。

22 :名無し物書き@推敲中?:01/12/23 14:39
>>21
よい。続きをキボンヌ

23 :昔話Z:01/12/23 14:41
 大きな桃です。直径1メートルはあるように見えます。おばあさんは包丁を持っ
ていなかったので、近くにいた鬼から太刀を借りて、とりあえず桃を半分に切るこ
とにしました。大きな刀です。おばあさんはぎっくり腰にならないように注意を払
いながら、えいやとばかりに太刀を振るいました。

24 :昔話Z:01/12/23 14:50
 そのとたん今までには味わったことのない妙な感覚に襲われて、おばあさんは
中身を確かめてみました。
 人間がはいっています。それも玉のようにかわいい男の子です。もちろんおば
あさんはそんなことは知らなかったから、ちからまかせに思い切り太刀を振るっ
たのでした。あいにく刀の切れ味は悪く、それが幸いして男の子は少し頭を割ら
れただけで助かったのでした。

25 :名無し物書き@推敲中?:01/12/23 15:00
ますます、よいぞ。切れない刀でよかったね。

26 :昔話Z:01/12/23 15:01
 おばあさんは急いで止血してぐったりとした赤ちゃんを抱きかかえました。
「これ、だいじょうぶか。いや、すまなかった。こんなところに入っている
とは気づかずに」
「おばあさん、刀を返してもらえますか?」
 あまり周りを気にしないタイプのおばあさんに、しびれを切らした鬼が自
分から話しかけます。
「おばあさん、あなたは地獄へ来たのですよ。先ほど三途の川を渡ってきた
じゃないですか。それにその男の子は不吉だから私たちがあずかります」
「いいえかまいません。この子は私が育てます」
 と、おばあさんは言ってその場を立ち去るのでした。

27 :昔話Z:01/12/23 15:06
×その場を立ち去るのでした。
○その場を立ち去ろうとしました。

28 :名無し物書き@推敲中?:01/12/23 23:06
「いえいえ、なりません。おばあさんにはこれから裁判を受けてもらいますから。さあ、私に
ついてきなさい。閻魔様のところにお連れします」
「そんなことを言われてもこまる。私は地獄へ落ちるようなことをした覚えはないし、あんた達に
裁かれる覚えはないよ! こっちは赤ん坊を見つけて忙しいんだ! ほっといておくれ!」
「いえいえ、そういうわけにはいきません。これも仕事ですから」
 必死で引き止める鬼を気にも止めず、おばあさんはそこを立ち去ってしまいます。
「やれやれ。困ったおばあさんだ。しかしどこへ行くわけにもいくまい。ここはどこまで行っても
地獄なのだから」
 鬼はそうつぶやくと、子供を抱いたおばあさんを追いかけもせずにそのまま見送るのでした。

29 :昔話Z(仮):01/12/23 23:48
 鬼から逃れたおばあさんはまず、荒れ果てた土地の岩場の隅にめぼしを
つけて、そこに腰を落ち着けることにしました。その辺はやけにさっぱり
して誰もいなかったからです。ここまで来れば大丈夫、年寄りに長歩きは
毒だから、といって、さっそく拾ってきた男の子に名前をるけることにし
ました。
「あんたはなかなか可愛いし強そうだから立派な名前を付けなければねえ」
 と言って、首をひねってうんうん考えています。
「そうだ! 生まれたときに頭から血を流していたから、血太郎(ちたろう)
にしよう!」と、おばあさんが言うと、赤ちゃんは少しけげんそうな顔をし
ます。
「いまいちだねえ」と言っておばあさんはもういちど考え直すことにしまし
た。
「そうだ! 三途郎にしよう! 三途の川で生まれたから」
 赤ちゃんはますます不機嫌そうな顔をしています。
「うーん、よくよく考えてみるとこれもいまいちだねえ。まあ、桃から生ま
れたから『桃太郎』でいいか」
 おばあさんがこういうと、赤ちゃんのほうはやっとのことで少しほっとし
たようなのでした。

30 :昔話Z(仮):01/12/24 00:04
 桃太郎はすくすく育ちます。おばあさんが一眠りしているうちに、もう3
歳児としか思えないほど大きく成長しています。先ほどまではまだ乾いてい
なかった頭の傷口も、今では傷跡となって残るばかりで、すっかり治ってい
ます。
「ずいぶんたくましい子だこと。こりゃ大きくなったら鬼退治に生かせよう」
とおばあさんは心に決めて密かにほくそえむのでした。

31 :昔話Z(仮):01/12/24 00:24
 鬼達の方でもおばあさんをあんまりほうっておくのはよくないという
ことになり、一生懸命捜すのでしたが意外なことになかなか見つかりま
せん。実はおばあさんは子供の頃からかくれんぼの名人で、よく見つけ
られないまま放っておかれるたちだったので、そのときも類にたがわず
見つからず、しょうがないので鬼達もあきらめてしまうほどでした。

32 :昔話Z(仮):01/12/24 00:47
 結局、桃太郎はそのまますくすくと育ちました。もちろん食べ物は三
途の川にいる魚達で、ちょっと変な形をしていますからおばあさんは心
配でしたが、桃太郎の方はそんなことなど一向にに介せずどんどん大き
くなっていきます。そのわけには実はおじいさんが天国からそっと助力
していたのでしたが、おばあさんは知るよしもなく、ただただ順調に育
っていくわが子を喜んで見守っていました。
 そして桃太郎は、よわい二十歳にもなろうかというほど大きくなると、
みずから鬼退治に行くと言い出しました。

33 :名無し物書き@推敲中?:01/12/24 01:50
いよいよ佳境ですね。期待してますyo

34 :昔話Z(仮):01/12/24 02:20
 おばあさんは急いで泥団子を作って桃太郎に手渡しました。ほんとは
きび団子が作りたかったようなのですが、材料が足らなかったようでし
た。
「おばあさん、僕は家来を引き連れて戦いに臨みたいのですが。犬や猿
や雉はいるでしょうか? 犬は忠誠心が高いし、猿は賢いし、雉は空を
飛べるからです」
「知らないねえ。ここらではまったく見かけないじゃないか。だいたい
動物ってのは死ぬとどちらへ行くのかねえ。天国? とにかくそんなも
のはどこにもいないだろうよ。でも誰か忘れてないかい?」
 どうやらおばあさんは行く気まんまんなようでした。

35 :昔話Z(仮):01/12/24 03:12
 しかたがないので桃太郎はおばあさんと一緒に鬼退治に出かけました。
 それを見かねたおじいさんが、天国の仏様に頼んでおばあさんを天国
に連れてくるように言いました。
「阿弥陀様、どうかばあやを天国に連れてきてください。あれは気が曲
がっているようには見えるが、ほんとはいいやつですじゃ。さもなくば
わたくしめを地獄に落として一緒にいさせてください。このとおりです」
 こう言って泣きつくおじいさんに心を打たれて、阿弥陀仏様もお慈悲
を起こされてこうおっしゃられました。
「これ爺さん。いかに泣きつこうと規則はそんなに簡単に曲げることは
出来ぬ。しかしおまえの妻を思う気持ちはすばらしいものだ。したがっ
て1日だけおまえに時間をやろう。そのうちにばあさんを助け出すことが
出来ればそのまま天国で暮らさせてやってもかまわない。その代わり、
24時間以内に戻ってこなければ、おまえもそのまま地獄に残ってしまう
ことになるがそれでもいいかね?」
 するとおじいさんはすぐに
「かまいません。是非いかせてくださいませ」
 と答えました。

36 :名無し物書き@推敲中?:01/12/24 03:23
こういう展開ですか。期待が高まります。

37 :昔話Z(仮):01/12/24 04:06
 おじいさんは固く決意すると、仏様に用意してもらった絶対に切れな
いという細い蜘蛛の糸を伝って映画ランボーさながらに戦闘の地へと下
りてゆくのでした。
 一方、桃太郎とおばあさんのほうはその辺で拾った小汚い刀を腰に敵
陣へと乗り込んでおりました。灼熱地獄や針の山、血の池地獄を越えた
らそこは鬼岩城だったのです。赤鬼や青鬼が大きな棍棒をもって構えて
います。おばあさんは急に恐くなってうちに帰りたい気分になるのでし
た。

38 :名無し物書き@推敲中?:01/12/24 04:08
おう、まだ起きてますね。こちらはそろそろ落ちます。おやすみなさい、また明日。

39 :昔話Z(仮):01/12/24 04:23
 しかし桃太郎はつかつかと鬼の前に歩いていってこう言いました。
「鬼達よ、おまえ達を倒しに来た! 罪のない人たちを苦しめさいなむ
ようなことを俺は許さないからだ! 降伏する気がないのなら少し痛い
目をみるぞ!」
 鬼達はきょとんとしてこう言い返しました。
「この者たちは生前に悪事をおかしてこのような罰を受けているのだ。
おまえにそんなことを言われる覚えはない!」
 1匹の鬼がこういうと、もう1匹の赤鬼がこう言いました。
「このばあさんはどこかでみたことがあるぞ。人間の赤子と逃げたあの
ばあさんではないか? だとすれば好都合だ。捜しだす手間が省けたか
らな」
「なるほど違いない。するとそのときの赤子が目の前に立っているこの
男か? 恐ろしく早い成長だ。気味が悪い。それに生きた人間はここに
来ることは許されないのだ。つかまえて殺すしかあるまい」
 そういうと鬼達は「殺せ殺せ」と言って桃太郎に襲いかかってきまし
た。

40 :昔話Z(仮):01/12/24 04:25
俺も寝たいけどあと1時間ほど寝れないや。もう少し書こう。

41 :昔話Z(仮):01/12/24 05:03
と、思ったけどMXが思ったより早く終わったのでもう寝よう。
まだ考えてないし。

42 :名無し物書き@推敲中?:01/12/24 12:31
おはよう。あの後寝ちゃったのね。待ってるyo

43 :昔話Z(仮):01/12/24 19:20
 それから壮絶な戦いが始まりました。桃太郎はまず、おばあさんから
もらった泥団子を投げつけて鬼達の目をくらませました。おばあさんも
後ろからせっせと泥団子をこさえて鬼達に投げつけます。もちろん鬼達
もそれくらいでひるんではいません。大きな棍棒を振りかざして桃太郎
に襲い掛かります。
 桃太郎はたいへん強く、鬼達にはけして負けません。次々に襲いかか
る鬼達をなぎ払い斬りつけます。しかし払っても払っても鬼達は無限に
増えるようにして飛びかかってきます。あまりにも人数が多くてきりが
ないのです。

44 :昔話Z(仮) :01/12/24 21:03
「ばばあをつかまえろ!」
 と、鬼達はおばあさんにも狙いをつけます。これではさすがの桃太郎
でもかばい切ることはできません。おばあさんはあれよあれよというま
に鬼達に引っつかまってしまいます。生け捕りにされたおばあさんも黙
ってはいません。鬼達のむなぐらをつかんだり顔を引っかいたりとにか
く暴れます。
「あんた達! こんなことしてただじゃおかないよ! あたしゃこう見
えてもまだ入れ歯じゃないんだよ! あんた達の耳をかみちぎってや
る!」
「こりゃ困った。どう猛なばあさんだ。おとなしくしていろ」
「ばあさん、あの子も殺しておまえの仲間にしてやるから安心しろ」
 鬼達のなだめにもおばあさんは耳を貸しません。
「おばあさん! 必ず助けますから安心していてください!」
 と、桃太郎も鬼達と戦いながら大きな声でこういいます。

45 :名無し物書き@推敲中?:01/12/24 21:22
期待sage。応援してるから最後まで書いてね。

46 :名無し物書き@推敲中?:01/12/24 22:28
いいよ。sageでいいのかな?今日はもう来れないけど、がんばってね。

47 :昔話Z(仮):01/12/24 23:51
 こうして桃太郎たちが戦っているときに、おじいさんは荒れ果てた地
獄の原に降り立ちました。
「こりゃずいぶん離れたところに降り立ったわい。天上から見とったと
きはずいぶんせせこましく見えたものだが、こうして地上に降り立って
みると広いのう。こりゃばあさんたちがいるところには半日ほどはかか
るかもしれんわい」
 そう言うと、おじいさんは急いで桃太郎たちのところへと駆けだすの
でした。

48 :昔話Z(仮):01/12/24 23:59
 おじいさんが着いた頃にはもう桃太郎はへとへとになっていました。
鬼達も、もうくたびれてすっかり気が抜けていました。それでもやはり、
やんややんやと際限のない合戦を続けています。おじいさんは見張りの
鬼の隙を見て、急いでおばあさんを助け出しました。
「おじいさん! どうしてこんなところへ?」
「天界から見ておって、かわいそうになって助けに来たんじゃ。向こう
に天へと続く蜘蛛(クモ)の糸がある。それを伝って天上へ逃げるんじゃ」
 おばあさんが突然現れたおじいさんに動転しておたおたしているうち
に、鬼達がそのことに気がつきます。
「おい! 不審な侵入者がいるぞ! ばあさんと一緒に逃げる気だ!」
「急いでつかまえろ!」

49 :昔話Z(仮) :01/12/25 00:57
 逃げ出す二人に吸い寄せられるようにして鬼達もいっせいに追いかけ
だします。桃太郎もそのことに気がついて必死にそれを食い止めます。
「おばあさん! その人はあなたのおじいさんですか? それなら一緒
に逃げてください! 僕がこうして抑えていますから!」
「桃太郎! あなたも早く来なさい! 天界へ逃げることが出来るんだ
よ!」
「僕もあとで必ず行きます! おばあさんはおじいさんと先に行ってい
てください!」
 鬼達を食い止めながら桃太郎もこう叫びます。次々におばあさんたち
を追いかけようとする鬼達を、桃太郎は一人でがっちりと押さえて、お
ばあさんたちが逃げるのを一生懸命助けます。しばらく鬼達を引き止め
ておばあさんたちが見えなくなると、桃太郎はやっとあとを追いかけだ
しました。
 そのあとを鬼どもが群がるようにしてわらわらと追いすがってきます。

50 :昔話Z(仮):01/12/25 01:26
 追って追われて走って逃げて、おじいさんたちは足が痛いのも忘れて
きらきらと空からたれた蜘蛛の糸があるところ駆けつけます。
「早くここにのぼるんじゃ。この糸は決して切れることはないが約束の
時間が来るとプッツリと切れるんじゃ。はっきりとした時間は分からな
いが、おそらくもうそれほど残ってはないぞ」
 と言うおじいさんに、
「でも、桃太郎が……」
 と言っておばあさんが食い下がります。
「桃太郎なら大丈夫じゃ。彼ならきっと間に合ってくれるわい。それよ
りもわしらは年寄りだから早くのぼって上で待ってないと彼が来たとき
に行き詰ってしまうぞい」
 おじいさんのなだめの言葉におばあさんも少しは安心して、雲の上へ
とのびた細い糸をのぼり始めました。

51 :昔話Z(仮):01/12/25 02:19
 おじいさやおばあさんが半分ほどまでのぼると、ようやく遠くの方に
ぞろぞろと鬼達を引き連れた桃太郎のやってくる姿が見え出しました。
しかしおばあさんもそれどころではありません。老いた体に鞭打って細
い糸にしがみついてのぼっています。
「ばあさん頑張れ。あと少しだ」
おじいさんも下から必死に支えていたのです。
 桃太郎も糸までたどり着くと急いでそのあとを追いかけました。下か
らは群がる鬼どもが轟々と叫び声を上げて桃太郎の足にしがみついてき
ます。それを何とか振り払いながら、桃太郎は上へ上へと急ぐのでした。

52 :昔話Z(仮):01/12/25 03:12
しかしおばあさんもそれどころではありません。老いた体に鞭打って細
「桃太郎! 早くしなさい!」
 やっとのことで雲の上までたどり着いたおばあさんが桃太郎にげきを
飛ばします。
「時間がないぞ!」
 と、おじいさんも大きな声をだして桃太郎を促しました。下からは桃
太郎と一緒に地獄の底から這い上がってきた鬼達が、桃太郎にやられた
傷のためかうめき声を上げながらこういいます。
「上にのぼりきるまでにつかまえろ。あそこまで俺達はいけない」
 鬼達のそのような話し声を耳に、桃太郎は必死で雲の上を目指しまし
た。

53 :昔話Z(仮) :01/12/25 04:33
 9合目までのぼったかというところまで来ると、おじいさんは天の国
にある時計を目にしてこう言いました。
「もう時間がないぞ! この糸はあと10分で切れるんじゃ! 桃太郎、
早くしなさい!」
 そんなことは桃太郎にも分かっていました。早くしないと怒り狂った
鬼達にとっつかまってしまいます。息せき切ってようやく雲の端に到達
しようとしたその先に、下から伸ばした鬼の手が桃太郎の足に絡みつき
ました。
「はなせ、この! この!」
 必死で振り払おうとする桃太郎の足に鬼のほうも必死で食らいつきま
す。
「もう時間だ!」
 と言うおじいさんの声とともに、桃太郎の手が雲にかかりました。
 そのとたんに糸はプツリと切れて、しがみついていた鬼達がいっせいに
叫び声を上げながら地獄の底へと落ちてゆきます。桃太郎の足にしがみつ
いていた鬼もつかみ所を失って、すぐに手をすべらせて残念そうな顔を浮
かべながら、深い奈落の底へと落ちてゆくのでした。

54 :昔話Z(仮) :01/12/26 00:22
 やっとのことでおじいさんとおばあさんに手伝われながら上にのぼった
桃太郎がこう言いました。
「おじいさん、おばあさん、ありがとう。とても助かりました」
「いやいや、礼を言わねばならんのはわしらの方じゃ。ありがとう」
「桃太郎、ありがとう。あんたは私たちの立派な息子だよ」
 桃太郎の素直な言葉に、おじいさんやおばあさんも心からお礼を言いま
した。
 そして桃太郎たちはおじいさんに連れられて阿弥陀様のところへ行きま
した。
「阿弥陀様。約束どおり戻って参りました。これでばあさんをこちらの世
界においてもらえるでしょうか?」
 と、おじいさんが尋ねると
「うむ。よくやったぞ。おばあさんは約束どおり天界においてやることに
しよう」
 と、阿弥陀様はおっしゃられました。
「ありがとうございます。それで桃太郎ですが、こいつもここにおいてや
ってはもらえるのでしょうか?」
 おじいさんのこの問いに阿弥陀様は
「それはならん。桃太郎はまだ生きているし、生きている人間がここに来
ることは許されてないのだ。残念だが桃太郎には人間界に帰ってもらおう
と思う。また、こちらで見たり聞いたりしたことは、決して他言すること
は許されないから、桃太郎は赤ん坊に戻してこちらの世界で起きたことを
いっさい忘れてもらうことになる。その上で人間界に帰すのだ」
 とお答えになりました。

55 :昔話Z(仮):01/12/26 00:49
 阿弥陀様のこの言葉におばあさんは泣きそうになってこう言い返しまし
た。
「阿弥陀様、それはあんまりです。私たちはこれでも家族なのです。どう
にかして一緒にいられるようにはできないのでしょうか?」
 おばあさんの必死な懇願に阿弥陀様も心をお動かされになってこのよう
なことをおっしゃいました。
「うむ、それでは桃太郎を人界へ帰す時間を少し戻して、おまえ達が生きて
いた時代へ送ってやろうではないか。そこで仲良く一緒に暮らすがいい」
 桃太郎もそれを了承して、おじいさんとおばあさんは目に涙をいっぱい浮
かべながら喜び合いました。

 こうして桃太郎は生まれたまんまの赤ん坊の姿に戻されました。そして大
きな桃の中に詰められて、おじいさん達が生きていた時代の小さな川へと流
されたのです。そこでおばあさんに拾われて、そこから始まる物語があの有
名な「日本一の桃太郎」の話となって受け継がれることになったのです。


                               〈完〉

56 :昔話Z(仮):01/12/26 00:51
ああ終わった終わった。なんかくたびれた。
最初は(>>21)最後まで書く気はとんとなかったけど。

57 :名無し物書き@推敲中?:01/12/26 06:50
1はどこへ行った?

58 :名無し物書き@推敲中?:01/12/26 22:46
よかよか、1なんか放っておこうよ。楽しめたです。お疲れさんでした。

59 :名無し物書き@推敲中?:02/01/22 20:00
さ、さむい…。

60 :名無し物書き@推敲中?:02/02/05 22:35
     

61 :名無し物書き@推敲中?:02/02/06 03:43
>>1さんの頭にはプリンが詰まってるんですか?

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